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第5回目を迎えた「森そばフォーラム」のテーマは「防災」。近年、国内外において連続して地震が発生し多くの人々が犠牲となり、防災への関心が高まっています。そうした状況の中で、自分と家族、そして地域を守るために、新潟県中越地震、スマトラ沖大地震の教訓から学ぼうとさまざまな場でお呼びかけをさせていただき、地域の方々にご参加いただきました。 昨年10月23日に発生した新潟県中越地震では旧山古志村の方々が全員避難されたことにより、マスメディアにも大きく取り上げられ、全国的に甚大な被害状況が報道されました。雪解けの時期を迎えた現在、土砂雪崩が発生するなど、生活再建・地域復興への道のりは大変厳しい状況であることが伝えられています。 私自身、地震発生から約1ヵ月後に山古志村避難施設での支援活動に参加し、続いて昨年12月26日に発生したスマトラ沖大地震・津波災害から約4ヵ月後の4月23日、大学教授、NGO専門家とともに現地のインドネシア・バンダアチェに入り、27日まで現地調査を行いました。 今回のフォーラムでは、被災地アチェの現状を報告するとともに、こうした活動経験をまじえながら市民防災の視点から自分と地域を守るためにどうすべきかを、参加者のみなさんと一緒に考える場となりました。
現地の状況を説明する森ひろゆき ◇現地の様子について 昨年12月26日の津波発生から約4ヶ月後の被災地域は、海岸から4km先まで、まるで空爆後の焼け野原のような状況でした。30メートルもの高さの津波と聞いても人間の想像をはるかに超えたすさまじいものであり、あまり実感がわかないかもしれません。しかし現地の状況を目の当たりにし、また被災された人々の声を聞いて、あらためて地震と津波の恐ろしさを痛感しました。 ◇民主党街頭募金を現地NGOへ バンダアチェから自動車で2時間程離れた東海岸のシグリの漁村を訪問。漁民によると、「政府や海外からの寄付・支援は一切ない」状況だそうです。津波は「天災」ですが、情報の不足や援助の不平等など、本当に支援を必要としている人々に支援が届かないということが、アチェにおける最も深刻な問題であり、まさに「人災」といえるのではないでしょうか。 そうした状況の中で、現地で地道に活動している人々へ義援金を直接手渡せたことは大変意義深いと思います。さらに支援の輪を広げていくためにも、今後も引き続き現地の様子を伝えていく必要があることを痛切に感じていますし、継続した支援活動をしていきたいと考えています。 ◇横浜市の防災対策 3月28日に横浜市は、『横浜市地震被害想定調査結果概要』を公表しました。それによると、マグニチュード7.0の横浜市直下型地震では、犠牲者2,000人、液状化や火災による建物被害は8万5千棟とあります。この被害想定では、都筑区における犠牲者は60人、現況棟数3万4千棟のうち2千5百棟の建物が被害を受けるとあります。 最も被害の大きいマグニチュード7.9の南関東地震では、犠牲者3,600人、建物被害は12万6千棟という被害想定をされていますが、インドネシアのスマトラ沖大地震のようにマグニチュード9.3の地震が発生すれば、どれくらいの被害と犠牲となるのでしょうか。 国内外の被災地を訪れて実感したことは、地震災害というものは人間の想像をはるかに超えたすさまじいものだということです。被害想定はあくまでも人間による想定であり、近い将来、想定以上の大地震が起こる可能性も否定できないと思います。地震災害は「他人事」ではありません。過去の震災を教訓としながら、地域のみなさんと一緒に、自分と家族と地域を守るために地域防災について考え、取り組んでいきたいと考えています。 |
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また今回、アチェに同行した山田満・埼玉大学教授をお招きして、「津波後の『アチェ和平プロセス』の動向」について講演していただきました。
講演する山田満・埼玉大学教授(右) ◇紛争地アチェ スマトラ沖大地震が発生し、その直後の大津波によって30万人とも言われる犠牲者を生み出した未曾有の大地震・大津波災害の報道によって、アチェという名を初めて知ったという方も多いと思います。アチェは1976年の独立宣言以来、分離独立闘争が続き、インドネシア国軍の弾圧により多くの人々が犠牲となってきました。 ◇津波は「ビッグ・チャンス」? これまでアチェでは戒厳令が布かれ、軍の許可なしに外国人が立ち入ることができませんでしたが、このたびの津波災害により非常事態宣言が解除され、国際社会から多くの災害支援組織、報道関係者などが押し寄せました。その津波を契機として、国際社会は皮肉にも津波災害とともに津波以前から紛争が続くアチェの厳しい現状を知ることとなりました。 ◇日本の市民への期待 アチェの現状について、さまざまな場でメッセージを発信してほしい。津波災害により多くの人々が犠牲となり大変悲しいことですが、一方で、アチェの人々は、悲しみを抱えながらもこのたびの津波はアチェの現状を国際社会に伝える「ビッグ・チャンス」と捉えています。 インドネシアへの最大のODA供与国である日本政府が、インドネシア政府に対して圧力をかけることにより、和平への道が開けるという期待感を持っています。「アチェを忘れないでほしい」。アチェを離れる際に投げかけられた言葉です。日本政府を動かすのは私たち市民ですし、支援金は私たちの税金である以上、その使いみちについてチェックをしていかなければなりません。 |